平凡なサラリーマンでも、働き方改革は叶う - 複業サラリーマンの時代(2)

現在首相官邸では、安倍首相が議長になり、働き方改革実現会議が開かれています。 


政府が進める働き方改革

働き方改革実現会議がどんな会議かは、資料を見ると趣旨が書いてあります。 

働き方改革の実現を目的とする実行計画の策定等に係る審議に資するため、 働き方改革実現会議(以下「実現会議」という。)を開催する。

資料「働き方改革実現会議の開催について 」より引用 

 

何か難しい文章ですね。「係る審議に資する」の意味が恥ずかしながら分からず、「資する」を辞書で引くと、ある物事に対し材料を与えて助けとする。役立てる。とありました。「働き方改革を実現する」のが目的とだけあり、働き方改革が何かは書かれていませんでした。もう少しサイトを見てみると、以下の文が載っていました。

働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます

 

この「多様な働き方」の中に、複業が入っていました。主に、第2回実現会議で取り上げられており、慶応大学商学部の樋口美雄教授が以下の資料を提出しています。

<副業・兼業>

副業・兼業を認める企業は日本で 3.8%にとどまる

副業・兼業は、①第 2 の人生の準備、②オープンイノベーションによる企業の成長促進、③起業する場合、副業によって行った方がリスクは低く、成功しやすい、等々のメリット

・副業・兼業を認めるモデル就業規則の策定や、通算される労働時間における時間外労働の取り扱いなど検討すべきではないか。

 

サラリーマンの声は?

会議自体は、「働く人の立場・視点」というわりには、有識者と呼ばれる著名人や学者、経営者から構成されており、市井しせいのサラリーマンなどは参加していません。別途、サラリーマンが呼ばれて安倍総理と話をする「働き方改革に関する総理と現場との意見交換会」というのが何回か開かれたようです。議事録を読むと、ロート製薬やサイボウズの社員が自社の状況を安倍首相に説明していました。どちらかというと、普通のサラリーマンの意見を聞くというより、先進事例の紹介という感じです。 

 

ワークライフバランスが示す「ワーク」は、サラリーマンの仕事

働き方改革はワークライフバランスの考え方が基になっていて、ワークライフバランス憲章というものも発表しています。仕事と生活のバランスをとるというワークライフバランスにおけるワークの考え方は、「必要だけど取り扱いが難しい」、原子力発電所の核燃料のように思えてきます。ところが、これをサラリーマンの仕事と考えると、非常に納得してしまう事が自分自身ではありました。 

 

今、ビズフォリオは自分たちメンバーだけで運営しています。もし仮に、お金を払ってサラリーマンを雇うとしたら、直ぐに思いつくのは伝票処理や記帳といった作業です。ビジネスの新しいアイデアを考えたりそれを試してナリワイにするような所を、サラリーマンにお願いする事は全然想像できませんでした。 

 

サラリーマンに対する自分の意識の底を覗いてみて、雇用契約を結んでやる仕事ってこんな程度かと、少し愕然がくぜんとしました。より安いAIで事足りるなら、サラリーマンの仕事がどんどんAIに変わっていくという、ちょっと前に流行った論文もこれなら理解できます。 

 

「ワーク」を複数にしてバランスをとる事で、働き方改革を実現

そんなサラリーマンの仕事が複数になっても、サラリーマンの働き方は何も変わりません。むしろ、単純に複数の会社に雇われる事が複業になってしまうと、不幸なサラリーマンが増えるだけに思えて心配です。 

 

複業による脱・専業サラリーマンを考えた時に、ナリワイ(伊藤洋志さん)を通して知った昔ながらのナリワイの考え方が大変参考になりました。 

 

日本型サラリーマン以前の人々は、ナリワイに対して今とは全く異なる考えを持っていました。天候や気候に左右される農家は、農業をナリワイにしながら冬は出稼ぎに行ったり、家では内職をしたりしていました。また、江戸の庶民の話を読むと、よくこんな商売が成り立つなあという様な実に様々なナリワイが登場します。色々なナリワイを生み出し、うまくいかなくなったら変幻自在に職を変えながら世間を渡り歩いています。一つの仕事に頼り切らず、智慧を絞ってリスク回避を図って来ました。多くの人がドブネズミ色の背広を着てサラリーマンをしている今では、忘れ去られてしまった事実です。

「脱・専業サラリーマン」より引用 

 

サラリーマンの仕事が「ワーク」の全てではなく、農家の出稼ぎ程度で良いのでは、という思いに達しました。では、どうやって複数の仕事をマネジメントしていくか、そこにはポートフォリオ的思考が重要になってきます。