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リフォームは企画意図から(3)排水管レイアウト

排水管の各種制約事項を優先しつつコンセプトを実現するためにフロアプランを変えるに至った。その経緯を紹介する。

 

PS(共用排水管)の最至近にあったトイレを洗面室に統合し、3in 1洗面室が最大の目的であったため、汚水管の総配管距離は4mと長くなった。東京都の下水は合流式で、PSの共用排水管も一本しかないにも関わらず、室内では汚水管と雑排水管が独立している。かつ、共用排水管への接続位置もそれぞれ異なっていたため(汚水管はスラブ下に埋設接続されているよう)洗面台と洗濯パン、ユニットバスの雑排水と汚水管が交差してしまう問題に直面した。交差させればその分床の高さを上げなければならない。

フロアプランーBefore

リフォーム部分全貌ーBefore

以下、排水管のBeforeーAfter だ。

●旧トイレと洗面台部分。写真下(After)の左側が雑排水。下から、洗面台、流し台、UBへの分岐エルボ。右側が汚水管。汚水管と雑排水管は合流共用管に対して接続位置が異なっていて、汚水管はスラブに潜り込んで共用排水管に合流されている。その接続形態は変えないことにしたため、この配置になった。

洗面台とトイレの床下ーBefore。写真上部の傷んだコンパネ部分が旧便器設置位置。右が旧洗面台、左がUB。汚水管と雑排水管は交差することが無い配置だった

Afterー右汚水管、左雑排水管

UB部分。旧給水管給湯管が更新された。排水管は右上の雑排水管から引き込む。

ユニットバスーBefore

After

旧流し台と洗濯パン(両方とも雑排水)は洗濯パンとトイレへ変更。汚水管に統合した。汚水管距離が4メートルになり、勾配100分の一を確保するためこの3in 1洗面所スペースの床は上げざるを得なくなった。

流し台床下ーBefore

Afterー汚水管。上がトイレへの接続部。左が洗濯パンへの接続部。下は洗面台への接続部

結果、フロアプランは下図のように変更となった。汚水に接続せざる得ない設備を洗面台から洗濯パンに変えた。洗濯パンのトラップが工業製品としてしっかりしており、また人が直接排水口に関わることがないからだ。交差点は排除したが、それでも汚水管勾配確保へ、洗面室の床は5センチほど上げざるを得なくなった。しかし、最難関の排水管レイアウトが決まり最重要コンセプトが実現できたことでまずは一安心。

フロアプランーAfter

 

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