リフォームで「磨く」

自分の居宅、専有部をリフォームしましょう。プロに丸投げもいいですが、コンセプトは自分で考えることが生活改善に大きな効果をもたらします。

本当の空間の把握

動線と座る向き

古いものをアンティークもしくはやれたデザインで整える

施工を依頼する


リフォームは企画意図から(5)完工 検証更新中!

 

紆余曲折を経て完工した。仕上げ~引き渡しに向けてリフォーム業者の管理能力が試されるところであるが納期他期待を大きく外れ、連日現場を確認する日々が続いた。見積項目としての現場管理費の意味を問いたい局面であった・・・。

 

気を取り直し、引き渡し後に実物に身を置いて改めて企画意図を確認していった。図面ではどうしても空間感覚が湧かず、空間を把握できずにずっとモヤモヤしていた。まさに最大の検証事項だ。一つずつ仮の調度品を置きながら空間想定の良否を確認していく。

・空間検証

まずはリビング拡大。専有部中央にあったトイレ・洗面を移設し、ダイニングに割り当て、L字型のLDKとした。写真のタイル敷の部分だ。(続く)

 

そしてリビング併設の間仕切り居室にロフト設置。4畳大ほどの空間にベッド化可能なロフト設置、居室として使用可能にし、2LDK物件にしたい意図だ。(続く)

 

さらに3イン1にした洗面室。洗濯機置き場併設のキッチンを浴室・洗面・トイレの3イン1に変更。(続く)

企画になかったが居室2のクローゼット撤去と天井上げによる空間拡大。クローゼットをオープン化し、居室1のロフト設置時に天井を上げたのと同様な高さ拡大を行った。昔一般的だった江戸間の6畳サイズに天井高2.7mを実現した。この居室については申し分のない出来と自負する

・投資効果検証(更新中)

先にお伝えした通り、本件は賃料効果仮定と投資効果仮定を置き投資額を350万円とした。完工時の費用総計は約360万円となった。

・造作+電気+壁紙 230万円

・設備(上下配管、設備設置) 113万円

・支給品(流し台、洗面台、便器)16万円

ほぼ目標額どおりであるが、これに加えてマルチエアコン購入13万円、同設置6万円、居室2の追加工事約50万円を支払った。さらに検証による是正工事に40万円ほどを見込んでいる。結果470万円程度の投資となるだろう。

ここからの賃料効果については客付け後に追記しようと思う。

(更新中)

・施工スキーム検証

「設備業者見積の闇」でお伝えした通り、本件のようにリフォーム業者に一任しても、彼らによる座組へのチェックが必要である。造作、設備、電気、壁紙が基本的なチーム構成だが、見積をこの枠組みで作成させ、各項目ごとにその妥当性をしっかり確認しよう。本件では設備工事だけで約60万円を節減した。初期の設備見積からはなんと半値になったのである。

マンション全体の修繕同様に、専有部のリフォームも知見を集め交渉の姿勢が必要なのだ。見積書の構成、各価格の妥当性、適切な見積更新、支払い条件、などが交渉の要点である。腹落ちしなければ座組を変えさせる、契約を解除する、など強い姿勢で臨むべき投資なのである。

 

 

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リフォームは企画意図から(4)設備業者見積の闇

ユニットバスや洗面台、流し台の交換に際して給排水管の更新工事も行ったが、この水回り設備見積には大変困惑した。

表1がその見積結果の一部である。各作業単価がそのまま積算されている。例えば、不要になった旧給水管と給湯管を切断撤去で、40000円と50000円、新規配管へ開口は2カ所で35000円x2、といった具合だ。時間にすれば全部合わせても数時間のこれら作業が合計160000円とは腹落ちしない。各所スポット請負ならばともかくも、水回り全フォーム請負で作業単価積算は常識なのか非常識なのか・・・。試しに他の業者へ見積依頼した結果が表2だ。各所作業一式となり、例えば給水管更新一式50000円、さらには使用部材も細かに必要量のコストが表記されている。

結果、この見積比較において、作業単価積算業者と各所一式見積業者との差は約170万円対120万円とその差50万円、30%の減額となった。東京圏の同業でもこれだけ見積の考え方が異なる。前者の見積もその根拠は明確だが、結果「ぼったくり」との指摘は免れられないだろう。設備業がなんとも闇なのであった。(さらに追記すれば、この170万円見積業者の減額交渉前・初期見積は230万円だった。でたらめという言葉以外見つからない・・・)

表1:設備業者見積ー作業単価積算

表2:設備業者見積ー各所一式積算

本案件は水回り設備・大工工事・電気工事全体をリフォーム業者に一括委託したケースだが、このリフォーム業者から再委託を請けていた設備業者の見積への不信から、委託範囲を大工工事と電気工事のみにした。リフォーム業者もその先の委託業者の優劣をしっかり評価し選別しなければならないように発注側も見積に厳しい目を向けるべきだ。

また、各業者も請負内容に対して妥当で誠実な見積を行ってほしい。大工さんに聞いたところによると、造作作業よりも設備作業の利益率は大幅に高く、現にどの業者も自社ビルを持っている、と半分揶揄を含む反応であった。

 

後記:

文中に例として挙げた作業、配管2本撤去と壁開口2カ所で16万円、仮に多めに見て4時間作業として時間給4万円だ。道具、技術、危険性など作業に際しての付加価値を考慮しても非常識ではないか。例えば音楽家の指導料は1時間1万円もない。才能に恵まれ、学費を払い、日々切磋琢磨し、生涯経済的なリスクを取った結果の価値提供に対する価格だ。配管のほうが何倍も割がいいのは何故か・・・売り手買い手の情報格差に比して闇は深まると感じる。

 

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リフォームは企画意図から(3)排水管レイアウト

排水管の各種制約事項を優先しつつコンセプトを実現するためにフロアプランを変えるに至った。その経緯を紹介する。

 

PS(共用排水管)の最至近にあったトイレを洗面室に統合し、3in 1洗面室が最大の目的であったため、汚水管の総配管距離は4mと長くなった。東京都の下水は合流式で、PSの共用排水管も一本しかないにも関わらず、室内では汚水管と雑排水管が独立している。かつ、共用排水管への接続位置もそれぞれ異なっていたため(汚水管はスラブ下に埋設接続されているよう)洗面台と洗濯パン、ユニットバスの雑排水と汚水管が交差してしまう問題に直面した。交差させればその分床の高さを上げなければならない。

フロアプランーBefore

リフォーム部分全貌ーBefore

以下、排水管のBeforeーAfter だ。

●旧トイレと洗面台部分。写真下(After)の左側が雑排水。下から、洗面台、流し台、UBへの分岐エルボ。右側が汚水管。汚水管と雑排水管は合流共用管に対して接続位置が異なっていて、汚水管はスラブに潜り込んで共用排水管に合流されている。その接続形態は変えないことにしたため、この配置になった。

洗面台とトイレの床下ーBefore。写真上部の傷んだコンパネ部分が旧便器設置位置。汚水管は何故か共用排水管に直結されずにスラブに埋まっている。右下が旧洗面台、上部左へのエルボがUBへの配管。同斜め左上への配管が共用排水管への接続。汚水管と雑排水管は交差することが無い配置だった

Afterー右汚水管。既存のスラブ埋設へ接続した、左雑排水管。上からUB接続、流し台接続、洗面台接続へのエルボ。各樹脂製の給湯管が配管される。混合にせず給湯のみの単水栓。

UB部分。旧給水管給湯管が更新された。排水管は右上の雑排水管から引き込む。

ユニットバスーBefore

After

旧流し台と洗濯パン(両方とも雑排水)は洗濯パンとトイレへ変更。汚水管に統合した。汚水管距離が4メートルになり、勾配100分の一を確保するためこの3in 1洗面所スペースの床は上げざるを得なくなった。

流し台床下ーBefore

Afterー汚水管。上がトイレへの接続部。左が洗濯パンへの接続部。下は洗面台への接続部

結果、フロアプランは下図のように変更となった。汚水に接続せざる得ない設備を洗面台から洗濯パンに変えた。洗濯パンのトラップが工業製品としてしっかりしており、また人が直接排水口に関わることがないからだ。交差点は排除したが、それでも汚水管の勾配確保へ、洗面室の床は5センチほど上げざるを得なくなった。しかし、最難関の排水管レイアウトが決まり最重要コンセプト、3イン1が実現できたことでまずは一安心。

フロアプランーAfter

 

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リフォームは企画意図から(2)解体

解体前におおよその梁構造や配管穴など確認して企画意図を固めるのだが、最終決定は解体後である。

<企画意図ー前回ブログの要旨>

・トイレと洗面、流し台を配置換えすることで、洋室1への通路はLDKに加わり14畳になる。さらに洋室1への動線上をロフトにすることで洋室2に1.5畳加わり合計5.5畳となる。

これにより、50平米に満たない居室が、「2LDK、リビング14畳」と大きく仕様を向上させられる。

・この付加価値の賃料効果を2.5万円として、償却期間と利回りから350万円を目標コストとする。

以下、解体状態の各所写真である。

リフォーム部分全貌

LDKへ統合部分

洗面台とトイレの床下

ユニットバス

流し台床下

おおよそ水回り各設備は意図どおりに移設可能と思われるが、レンジフードのダクト配管に難がありそうだ。バルコニーへの配管経路である図上居室中央縦にも梁があったからだ。流し台起点に考えると、最適配置はその左、新ドア設置位置になる。施工業者と最終案へさらに調整が必要だ。(続く)

ーーー

 

さて、管理組合に朗報をもたらしたことも紹介する。

別物件で排水管更生工事を施工頂いた専業某社様に居室内を通る共用排水管について所見を頂いた。解体開口のこの機会に有償の調査を打診したら上記の画像で以下所見を頂けちゃったのだ。

 

・耐火二層管(不燃材で外装された塩ビ管)使用。図面上も耐火二層管の記号であるTPと記入があり。

・共用専有配管共に、塩ビ管であるため経年による腐食は生じない材質のため、大々的な改修は不要。

・特段内視鏡調査等の実施も必要ではない。

 

別物件は鋳鉄製で腐食やサビの更生工事に戸当たり50万円の支出となった。当該マンションでも長計上に2269万円が計上されていがなんとメンテナンスフリーと判明したのである。長計上で2千万円超を消すことが出来る。これは「修繕」でも述べた通り、即毎月の修繕積立金を減額反映することが出来るのだ。

共用排水管

 

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リフォームは企画意図から(1)

内装一新から老朽設備の更新など、リフォームの必然は様々あるが、どうせ投資するならバリューアップを模索しよう。それが思いつけば、そのリターンを判断尺度にしたリフォーム工程を楽しめる。

リフォーム対象は間口が広く潜在的発展性を感じさせる間取りだ。難点はトイレ・洗面が居室中央に配置されていることで、洋室1に向けての動線確保へ実用面積が減少することだ。

この難点を解消し、2LDKとして機能することをバリューアップ目標と定めた。

企画意図の実現案は図のようなリフォーム要件になる。トイレと洗面、流し台を配置換えすることで、通路はLDKに加わり14畳になる。さらに洋室1への動線上をロフトにすることで洋室2に1.5畳加わり合計5.5畳となる。

これにより、50平米に満たない居室が、「2LDK、リビング14畳」と大きく仕様を向上させられる。賃料換算で月2.5万円プラスのバリューアップを目標とした。20年償却として、単純インカム600万円。このリフォーム投資が600万円を生む、という目的設定だ。

さてこの目的へ妥当な投資額はいかほどか。様々なリスクを考慮し利回り6%と高めに設定すると・・・

利回り6%で20年間毎年30万円を生み出す投資の妥当性を評価するために、投資元本がいくらになるかを計算してみよう。これは、将来受け取る金額(年金のように毎年30万円)を現在の価値に割り引く、という考え方に基づく(年金現価係数とかIRRとか)

利回り6%で20年間の係数は、約11.4699。投資元本を計算すると・・・

投資元本 = 毎年受け取る金額 × 年金現価係数

投資元本 = 30万円 × 11.4699 = 約344万970円

投資額350万円を上限にこのリフォームを実施することにした。投資目的と投資目標額を基軸にすれば工程をチャレンジとして楽しめる。成り行きをお楽しみに。

 

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