自分の居宅、専有部をリフォームしましょう。プロに丸投げもいいですが、コンセプトは自分で考えることが生活改善に大きな効果をもたらします。
内装一新から老朽設備の更新など、リフォームの必然は様々あるが、どうせ投資するならバリューアップを模索しよう。それが思いつけば、そのリターンを判断尺度にしたリフォーム工程を楽しめる。
リフォーム対象は間口が広く潜在的発展性を感じさせる間取りだ。難点はトイレ・洗面が居室中央に配置されていることで、洋室1に向けての動線確保へ実用面積が減少することだ。
この難点を解消し、2LDKとして機能することをバリューアップ目標と定めた。
企画意図の実現案は図のようなリフォーム要件になる。トイレと洗面、流し台を配置換えすることで、通路はLDKに加わり14畳になる。さらに洋室1への動線上をロフトにすることで洋室2に1.5畳加わり合計5.5畳となる。
これにより、50平米に満たない居室が、「2LDK、リビング14畳」と大きく仕様を向上させられる。賃料換算で月2.5万円プラスのバリューアップを目標とした。20年償却として、単純インカム600万円。このリフォーム投資が600万円を生む、という目的設定だ。
さてこの目的へ妥当な投資額はいかほどか。様々なリスクを考慮し利回り6%と高めに設定すると・・・
利回り6%で20年間毎年30万円を生み出す投資の妥当性を評価するために、投資元本がいくらになるかを計算してみよう。これは、将来受け取る金額(年金のように毎年30万円)を現在の価値に割り引く、という考え方に基づく(年金現価係数とかIRRとか)
利回り6%で20年間の係数は、約11.4699。投資元本を計算すると・・・
投資元本 = 毎年受け取る金額 × 年金現価係数
投資元本 = 30万円 × 11.4699 = 約344万970円
投資額350万円を上限にこのリフォームを実施することにした。投資目的と投資目標額を基軸にすれば工程をチャレンジとして楽しめる。成り行きをお楽しみに。
#マンション #リフォーム #ロフト #投資効果 #水回りリフォーム
・洗面にトイレ移設で生活動線改善
・空いたトイレはそのまま防音室
・既存の空間用途を整理してみよう
洗面室はたいてい浴室の入り口で脱衣室でもあり、また洗濯機スペースも兼用にもなっている物件は多いことと思う。ここに空きスペースがあればトイレ移設を検討してみたい。生活動線的に完璧なのである。個室で行うことが一部屋で完結するからだ。二人暮らしまでは何の問題もない(三人暮らしだと朝の身支度時に少々コンフリクトが生じるが)。
写真は購入した80年代モノ(長期に放置され荒れていた。この件は売買のブログでご紹介しようと思う)の洗面所だ。うまい具合に洗濯パン横に空間がある。ここに見事にトイレを移設できた。3in 1の完成!
そもそも洗面所は給水管も排水管も引き込まれており、床も配管のために上げてある。そしてたいていの物件はトイレが近接している。本物件も洗濯機置き場の壁の向こうがトイレだ。よって移設が容易にできるケースは多いと思う。
検討に際して以下が参考にしていただきたい寸法だ。
・部屋の幅:135CM(写真奥の壁の幅)
・トイレスペースの幅:70CM(トイレ使用で窮屈でない寸法)
Before
After
隣のトイレ室であるが物置にするのはもったいない。上記のとおり、配管で床は上げてあるし、換気扇も付いている。本マガジンの思想、どう使えばリフォーム後も「楽しい」か・・・。そう音楽室であった。そもそも防音性が高い個室で、バイオリン、クラリネット、ギター、声楽など、一人で気兼ねなく楽しむ空間に活用できたのだ。
Before
After
マンションは空間が限られ増築は困難だ。でも既存の「用途を整理してみる」と意外な増築効果を生む。本事例のように自宅に趣味スペースができればそれで人生の充実度や習い事の進捗も変わってくるはずだ。
総工費:約80万円(内装やキッチン他水回り改修含む)
#マンション #リフォーム #洗面所 #防音室
・ロフト設置へ隠れた空間を探す
・ワンルームも激変。ベッド不要、動線も改善
・施工へのステップ
隠れた空間は天井裏もしくは床下にある。天井は通常石膏ボードの釣り天井になっている。まずはユニットバスの点検口などから上階のスラブまでの空間をチェックしよう。天井の石膏ボードに小孔をあけてスコープで除いてみてもいい。断熱と防音に結構なスペースが隠れている。床下も床材がスラブからどれくらい浮いているか確認しよう。
床スラブから天井スラブまで、つまり専有部の実際の高さが以下の寸法あれば設置可能だ。
自分の身長+ロフト床厚+ロフト高+天井材厚+床材厚
事例物件は広大な天井裏があり見事以下の寸法を確保できた。
身長178CM+ロフト床厚15CM+ロフト高80CM+天井床5CM、床は配管あったためそのまま
写真のとおり、ミニキッチンとクローゼット、バスとトイレに挟まれた通路部分の上部がロフトに生まれ変わった。
天井裏はレンジフードの配管があったため、キッチンは室内へ移動、全面クローゼットにすることで、バスの正面にクローゼット、室内はオープンキッチンになり、動線は大幅に改善、使いやすくなった。
ロフトはセミダブルのベッドサイズあり、室内からベッドが撤去でき、リビングダイニング空間に変貌。
生活色満載の部屋が、仕事部屋にも趣味の部屋にも活用できる快適なスペースに生まれ変わった。
進め方は以下のとおり。
①可能性検討。隠れた空間と配管等制約事項の把握
②制約を考慮した配置案と高さ方向の配分決定
③要件としてまとめ業者に施工課題を洗い出してもらう
実現してみると効果と価値向上には目を見張るものがあった。事例は大型のワンルームだが、空間として三分割できた。ウォークインクロゼット空間、ベッド空間、リビングダイニング空間である。暗い通路とワンルームからの大変貌により価値向上は大きいものと察する。売買や賃貸で価値を確認したいのでが、気に入ってしまって手放せない状況だ・・・
総工費:約90万円(室内壁紙や照明交換含む)
#マンション #リフォーム #ロフト